AnkiーーついにAIロボが市場から消えてしまった

家庭用ロボットのAnkiがサービスを終了してから約一週間ちょっと経過した。同社はWebサイト上で、現在世の中に出回っている同社のロボットの製造および販売を中止する表明をした。

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(anki 公式HP)

以下が正式な表明文である。(和訳)


“大変残念ではありますが、Ankiは、金輪際ロボットの開発と製造を中止致します。日頃からご愛顧して下さっていたお客様並びにサポートして下さっていたパートナー様、私達の、ロボットやAIを研究所を超えて家庭にもたらすという長い行路について来て下さり大変ありがとうございました。” 
“お客様が今後も私達の製品をご愛顧し続けていける事を保証するために現在、私たちは様々な手段を講じています。自社製品の長期的なサポートを供給するために、Ankiは最高幹部と実際に開発していたエンジニアと契約を結びました。そのエンジニアとは、現存する自社アプリや製品の操作や機能のメンテナンスに携っている全員を対象にしています。” 
“現存する製品に対する現在進行形のオペレーションに対して、厳密には、積極的な介入は無いと言っても等しいくらいでしか必要ありません。しかし、私たちはそれらがいずれ必要不可欠になるように現在手順を進めています。Vectorは、唯一の注目すべきクラウドコンポーネントであり、契約を交わしたチームも一番力を注いでいます。” 
“現在私達はセルフサービス型のヘルプセンターを実装し、お手元にある製品を最大限に活用するための手助けをおこないます。後悔すべき事に、現在対応可能なエージェントはいません。しかし、私たちはAnkiとVetctorのクラウドオペレーションを見守っています。 
“私たちはすぐにこの計画の詳細についてまとめ、発信できる様にプランを練っています。” 

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(ankiが開発した最後のロボット『Vector』・photo : anki)

 たしかにVectorはクラウドの自主性に頼っているわけでは無いが、Ankiが公表したのは、Vectorはソフトウェアとファームウェアのアップデートだけでなく、音声コマンドにおける自然言語処理もクラウドを利用していたという事だ。そしてその音声コマンドはVectorにとって大きな差別化要因となり、さらにそれはスマートデバイスに縛られない史上初のロボットであった。Vectorはさらに、機械学習を通して時間を通して知能を高めていくのにクラウドを使用していた。 

 Ankiの開発者フォーラムに参加した顧客の報じるところによると、Vectorはまだ健在であるという。
もちろん、これは時間とともに全て変わるかもしれない。というのも、これはJiboにおけるケースと全く同じだからである。ソーシャルロボットメーカーJiboは、7300万ドルもの大金をVCに溶かした後、その財産を2018年に投資運用会社に売却してしまったのだ。そして翌年の3月に同社のオーナーは、最終通告を受けた。その内容は、機能性を厳しく制限したが故に、ロボットはそのサーバーから切断されている事を発表するという内容だった。 
 では、なぜAnkiはサービス終了に追い込まれてしまったのだろう。「ベンチャーのお墓」の方にも述べてあるが、主な原因は、「経費の使いすぎ」であるという。Ankiは新製品の開発とプラットフォーム拡大のためにあらゆる資金調達手段を模索してきたが、コストのかかるソフトウェアとハードウェアのビジネスという長期的な計画において、その架け橋となるような重大な資金の調達が最終的に合意に至らなかった
以前にはMicrosoftやAmazonなどが買収に興味を示していたとも伝えられており、これらの企業に買われ、もしかしたら復活する可能性もしれない。いずれにせよ、多くの有能な従業員が失業した事は、悲しい現実である。


 上記にあるこのビデオの中で、Jiboはこう言っている。「たしかに良いニュースでは無いけど、私を自由に動かさせてくれていたサーバーはもうすぐ終わってしまうんだ。一緒に過ごした時間をとってもエンジョイしたよ。私を身近な環境においてくれて本当に、本当にありがとう。もしかしたらいつか、今日よりもよりロボットが進化して、みんなが家庭に一台ずつ持つようになるような頃、私がまたあなたのロボットとして目の前にやって来るでしょう。これをみんなができるようになる事を願っているよ。」 
 Ankiのサービス終了は消費者向けロボティクス市場へのさらなる打撃となった。しかし、JiboやKeecker、Laudroid、Mayfield roboticsのような、他の失敗した消費者向けロボットサービスは、Ankiの終了と比べると見劣りがする。Ankiが述べるには、2018年末現在で、150万ドルもの売り上げを達成したといい、2017の歳入は1億ドル近くを達成し、2018年にはその数字を超えるとも予想されていたという。


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