日米におけるCVCの成功事例と失敗事例

目次

1.成功例 
(1) 日本での成功事例 (2) 米国での成功事例

2.失敗例
3.まとめ

成功例

⑴ 日本での成功事例

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日本でも近年数多くの大手企業がCVCファンドを設立しているが、その中でも成功したCVCファンドの一例としてKDDIの「KDDI Open Innovation Fund」(以下KOIF)を紹介していく。 

KDDIは独立系ベンチャーキャピタル(VC)のグローバル・ブレインと共同で投資額200億円KOIFを設立した。 
KDDIがCVCを立ち上げるのは3回目だが、これまでの2件は投資枠が50億円規模にとどまっていた。

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KOIFの主なポートフォリオは、中高生向けスマホ学習塾「アオイゼミ」、米国の大手テック系メディアの「Venture Beat」、スマホVRサービスを提供する「ハコスコ」など、幅広い分野にある。 
運用期間は2028年3月までの10年としている。 


KDDIがCVCで成功している秘訣は、ズバリ、「ベンチャーファースト」に尽きる。 
すぐにKDDIとのシナジー効果を求めるのではなく、まずは基盤を提供し、出資先のベンチャー企業の成長を第一に優先するのだ。

特に、若いSEED期の企業とタイアップして、6ヶ月から一年ほどの長いスパンをかけて事業を共創し、そのベンチャー企業と何をやっていくかを考え、その中で事業をよりスキーム化、共同して事業を行えそうという事になれば、CVCから資金を支援している。

その結果、スタートアップ企業との連携に熱心な大企業のランキングであるイノベーティブ大企業ランキング1位を獲得した。  


CVCを活かしての買収において重要なことは、投資先スタートアップの経営者の信頼関係を構築し、協力することが欠かせない。経営陣がコミットし、10年ぐらいの中長期で取り組む姿勢が重要である。

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