目次
1.NTTドコモ・ベンチャーズについて
2.NTTドコモ・ベンチャーズの注目するスタートアップ
NTTドコモ・ベンチャーズについて
いつ始まったのか
2008年からスタートしたNTTドコモのスタートアップ支援。スタートアップへの投資活動や事業支援を通して、情報通信関連分野において新たなビジネスの創出を目的としてNTTインベストメント・パートナーズ株式会社が同年に設立された。
2013年に株式会社NTTドコモ・ベンチャーズへ商号を変更。
なんのために始めたのか
昨今イノベーションが急務と謳われている社会の中で、確立された地位を築いた既存企業は新たに行動するのが難しい環境下にある。
それは、既存のビジネスモデルを壊すことに抵抗がある人間の心理的な問題や、組織が大きくなりすぎたが故の一人の行動や変化だけではなかなか変えられることのできない外的環境の問題がある。
一方で、スタートアップは新しい技術を身につけ新しいものを生み出すことに長けている。しかし、ヒト・モノ・カネという観点で既存企業に比べて圧倒的にリソースが不足しているのも現状。協業先の既存企業、事業提携先の大手企業を見つけられないまま、そのきっかけをつかむことができないでくすぶっているスタートアップも多くある。
そうした、既存の大手企業とスタートアップを効果的に結びつける仲介役が必要と考え、NTTドコモは「オープンイノベーション」、「コーポレートベンチャーの設立」、「起業家の支援プログラム」を提供することを始めた。
これまでのCVC設立の動き
NTTドコモ・ベンチャーズはいくつかのCVCを設立、運用している。 2008年に組成されたNTTドコモのCVC「NTTインベントメント・パートナーズファンド」(1号ファンド)はクロージングで150億円規模に登る。 2号ファンドも同じく2014年に組成され、規模は100億円。そして、3号ファンドが2018年に組成され、その規模は最大の200億円になる。
NTTの起業支援プログラムである「ドコモ・イノベーションビレッジ」の運営が開始した同年の2013年にドコモ・イノベーションファンド1号が組成された(150億円規模)。 また、2017年にはドコモ・イノベーション2号ファンドが150億円で組成された。
NTTドコモ・ベンチャーズ支援対象先の基準
上場後の売却益やM&Aによる売却益の取得を第一とするVCではなく、NTTドコモが有する既存のサービスの付加価値創造を目的とするCVC的姿勢でスタートアップへの投資支援活動を行う。
(しかし、現在2019年2月時点は、協業によるシナジー効果だけを狙うCVC的投資スタンスではスタートアップのパフォーマンスが十分に発揮できないこともあるため、ファンドとしてリターンを求める動きあり)
投資領域は、*メディアや動画コンテンツプラットフォーム、電力などのエネルギー、ビッグデータや認証セキュリティ、センシング技術など様々である。
一社当たりの出資額の平均値は定かではないが、ファンド一つあたりの規模が大きい点、プロダクトやサービスが形になっているシリーズA以降の出資が主なことから1億円〜数億円規模の出資レンジと予想できる。
また、投資実績だが、国内45社の投資数のうち16社がIPO・M&AのEXIT**をしており、成果を収めている。
(ポートフォリオ。同社HPより)
どんな支援をしているのか
前述の通り、スタートアップへの出資を行うコーポレートベンチャーファンドの運営が一つ。また、オープンイノベーションおよび起業支援プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」の運営を行う。 2018年の活動実績としては、出資実行が20件(日本12件、海外8件)、参加者総数3200名(イベントやアクセラレータなど)、協業が30件以上となっている。
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